フリーランス翻訳者としてR5年度(2023年度)の確定申告関係で行ったことのメモを参考までに残しておきます。家内労働者等の特例を使用するため、確定申告書作成コーナーを使えず(手書きで追記すれば可能)、65万円の青色申告特別控除額を獲得するためにe-taxを選択したので、やや大変でしたが、何とか終えることができました(関連記事:e-Taxに初挑戦して思ったこと。家内労働者の特例が扱いにくい…)。
インボイス対応になったフリーランス翻訳者のインボイス対応
令和5年度で大きく変わったのは、インボイス対応です。必ずしも適格請求書発行事業者になる必要はなかったのですが、つい登録してしまったので(関連記事:インボイス制度の翻訳者への影響は?登録しなくてよい?)、令和5年10月以降の課税売上に関しては消費税を計算して納税しなくてはなりません。
とりあえず、10月以降の収入については、副業の雑所得を含め、インボイスをダウンロードするなどして、すべて保存しました。
消費税の確定申告は大変だろうと思っていましたが、終わってみれば意外と簡単でした。2割特例や簡易課税を選択する場合、経費の消費税は考慮する必要がないため、対象期間の税込の収入をまとめるだけで済みます。副業では不課税かどうかを確認するのに手こずりましたが、翻訳業に関しては難しくありません。国税庁HPの確定申告書作成コーナーで質問に答えていくだけで、特に労せず計算できるのではないでしょうか。
ただ、消費税の納税額は、今回は大した金額になりませんでしたが、将来、2割特例が終わって簡易課税になると、結構な負担になることが予想されます。これまでは確定申告で源泉徴収された翻訳料が還付されるのがささやかな楽しみでしたが、本格的に消費税を納税するとなると、還付金はほとんど相殺されそうです。。
フリーランス翻訳者の電子帳簿保存法対応
電子帳簿保存法に関しては、2024年1月1日から対応しなければならないことがいくつかあります。
電子帳簿保存法でやるべきことは、「電子取引のデータ保存」、「スキャナ保存」、「帳簿・書類のデータ保存」の3つです。詳細は以下をご覧ください。
私の場合、仕事のやりとりのほとんどは電子取引データです。電子取引データの保存について調べると複雑そうなので、電子取引データを保存する専用のクラウドサービスなども検討しましたが、ずっと無料のサービスはありません。結局、「改ざん防止のための事務処理規程」を設けて PC に保存するだけにしました。
事務処理規程は国税庁がサンプルを用意してくれているので、すぐに作成できました(以下参照)。検索要件がやっかいですが、売上高5,000万円以下なので、ファイル名に「日付・金額・取引先」を入力するなどの方法で十分と解釈しました。
スキャナ保存については、紙で受け取る書類がほとんどないし、紙で受け取った書類は紙のままでも良いため、対応しないことにしました。今後、必要性を感じることがあれば、上記のページを参考に必要書類(事務手続きを明らかにした書類など)を作成しようと思います。
電子帳簿等保存については、優良な電子帳簿も検討しましたが、結局、ただ最新の会計ソフト(以下)を利用するだけにしました。今までは会計ソフトで作成した帳簿を紙にも印刷していたため、特に申請せずとも電子保存できるのは助かります。
※この記事の執筆者は税の専門家でも何でもございません。正確な記事を書くよう努めておりますが、内容の正確性はご自身でご判断ください。