インボイス制度の開始が近づき、取引先から適格請求書発行事業者として登録するよう求められたので、登録申請手続きをe-Taxソフトで行おうと思ったのですが、やや手こずりました。
「e-Taxソフト(WEB版)」と「e-Taxソフト(SP版)」による申請方法については以下に説明されているものの、ダウンロード版e-Taxソフト(PCソフト)で申請する方法は詳しく紹介されていません。
ここでは、ダウンロード版e-Taxソフトで適格請求書発行事業者の登録申請を行う方法について簡単に紹介したいと思います。なお、e-Tax経由で申請すると、登録通知までに要する期間が約3週間とのことで、書面の場合の1カ月半と比べて早いようです(記事執筆時点の目安です。参考ページ)。
ダウンロード版e-Taxソフトで適格請求書発行事業者の登録申請を行う方法
まず、申請書がどこにあるのかですが、ダウンロード版e-Taxソフトでは、インストールした項目の書類しか作成できないため、インストールしていない書類は作成できません。そのため、まず起動時に「追加インストール」を行い、「消費税」に関する項目をインストールする必要があります。
これを行うには、「追加項目一覧」から「申請」を展開し、「消費税」にチェックマークを付けて「インストール」をクリックします。
インストールが完了したら、e-Taxソフト左側のメニューボタンから「作成」→「申告・申請等」を選択します。
続いて、右側で「新規作成」ボタンをクリックします。
「申告・申請等の作成」ダイアログが表示されたら、作成する手続きの種類として「申請・届出」を選択し、税目はドロップダウンリストから「消費税」を選択します。
「次へ」を押すと「選択可能帳票一覧」が表示され、ここに、「適格請求書発行事業者の登録申請」関係の書類一覧が表示されます。
後は、必要に応じて該当する書類を記入して提出するだけです。
記入例などは、以下のページで案内されています。
「適格請求書発行事業者の公表事項の公表(変更)申出書」は私には不要でしたが、屋号を公表したい場合は申請するもののようです。
記載の仕方で不明な点がある場合は、以下の動画も役立ちそうです。
そのほかに提出すべき書類
消費税の計算方法として簡易課税を選択する場合は、「消費税簡易課税制度選択届出書」の提出も必要です。
私はサービス業で経費がほとんどかかっていない(=経費として支払っている消費税額が少ない)ので、簡易課税を選択したほうがお得です。簡易課税については以下が参考になりました。
「消費税簡易課税制度選択届出書」をインボイスといっしょに申請する場合の書き方については、以下が参考になりました。急いで提出する必要はありませんでしたが、忘れてしまわないように一緒に(それぞれ)e-Taxで提出しました。
なお、本来、免税事業者が課税事業者になるには「消費税課税事業者選択届出書」の提出が必要ですが、インボイス登録申請の書類をよく読むとわかるように、多くの場合は提出不要です。国税庁のFAQ(PDF、p.3)には以下のように説明されています。私はR5年10月1日が登録日となる予定なので、提出不要と判断しました。
免税事業者が登録を受けるためには、原則として、消費税課税事業者選択届出書(以下「課税選択届出書」といいます。)を提出し、課税事業者となる必要がありますが、適格請求書発行事業者登録簿に登載された日(以下「登録日」といいます。)が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中である場合は、課税選択届出書を提出しなくても、登録を受けることができます。(詳細については、問5《免税事業者が令和5年10月1日から令和11年9月30日までの日の属する課税期間中に登録を受ける場合》をご参照ください。)
インボイスや消費税は複雑なので、本があると役立ちます。