翻訳で収入を得られるようになったら必要な税の手続きと注意点 | 翻訳メシ
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翻訳で収入を得られるようになったら必要な税の手続きと注意点

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翻訳者の確定申告

翻訳で収入を得られるようになったら嬉しいものですが、同時に税金の処理についても考えなくてはなりません。芸能人でときどき問題になるように、確定申告が必要なのに申告しないでいると、タダでは済まないからです。

条件によっては確定申告を行う必要がありますが、翻訳会社は詳しいことは教えてくれません。

税理士に相談するのが早い方法ですが、それには相応の費用がかかります。費用をかけず、自分で行う方法もありますが、そのためには知っておかなければならないことも多々あります。

ここでは、自らの経験を基に参考となる情報を紹介したいと思います。

面倒に感じられるかもしれませんが、翻訳料の一部が源泉徴収されている場合、確定申告によって還付金が戻ってくることも多いものです。これを機にしっかりと取り組んでみることをお勧めします。

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確定申告が必要かどうか

会社員やアルバイトなどとして勤務先から給料をもらう場合は通常どおりですが、翻訳会社などと業務委託契約などを結び、個人として報酬を得るようになったら、確定申告が必要になる場合があります。

確定申告が必要な方の条件は、以下に明記されています。

確定申告が必要な方|国税庁

これを熟読すれば答えは見えてきます。ただし少し難しいので、以下の場合について考えてみます。

給与所得があり副業として翻訳収入がある場合

給与所得者は、給与所得以外の所得の合計が 20 万円を超える場合などに確定申告が必要になるようです。それ以下ならば、確定申告は必要ないかもしれません。

給与所得などがなく翻訳の収入のみで 103 万円以下になる場合

事務所などに出向いて翻訳を行っている場合は別ですが、自宅で翻訳を行っている場合、家内労働者の特例が適用される可能性があります。

参考記事:フリーランス在宅翻訳者に家内労働者の特例は適用されるか?

翻訳の仕事に家内労働者の特例が適用される場合、事業所得か雑所得のどちらであっても、65 万円までを経費とすることが認められます(令和 2 年以降は 55 万円)。

このため、基礎控除は 38 万円(令和 2 年以降は 48 万円)なので、ほかに所得がない場合、翻訳の収入が 103 万円までなら、課税対象所得は 0 円になるはずです。

これなら、赤字を繰り越したいなどの特殊なケースを除き、確定申告は必要ないかもしれません。

他に所得がなければ、配偶者控除や扶養控除の対象にもなるようです。

この特例に該当する所得しかない人で、その年の総収入金額が103万円以下の場合は、総所得金額が基礎控除額の38万円以下となりますので、本人に所得税は課されず、また、扶養者の所得税額の計算上、配偶者控除あるいは扶養控除の対象となります。

出典:国税庁HP タックスアンサー「No.1810 家内労働者等の必要経費の特例」

事業所得か、雑所得か

確定申告が必要な場合、翻訳の収入が事業所得なのか雑所得なのかを判断する必要があります。所得の区分についてはタックスアンサーに解説されていますが、これが意外と微妙なので、迷う場合は適切な窓口に相談することをお勧めします。

青色申告か、白色申告か

事業所得とする場合、青色申告制度を利用するかどうかを選択することができます。手続きは増えますが、申告しない場合にも帳簿は必要なので、どうせ帳簿を付けるなら青色申告を利用するのがお勧めです。

最高65万円(令和2年以降は変更あり)の青色申告特別控除など、メリットがとても大きいからです。

詳細は以下をご覧ください。

No.2070 青色申告制度|国税庁

必要な届出は?

個人事業主となって翻訳を行う場合、さまざまな届出を期限までに提出する必要があります。

No.2090 新たに事業を始めたときの届出など|国税庁

ほとんどの場合に必要なのが、以下の書類です。

  1. 個人事業の開廃業等届出書
  2. 所得税の青色申告承認申請書
  3. 事業開始(廃止)等申告書

上の 2 つは上の国税庁のページに様式があり解説されていますが、3つ目は各都道府県税事務所に申告する書類です。都道府県によっては個人事業税がかかる場合があり、かからない場合でも提出は必要なので注意が必要です。

また、開業届は後々になって控えの提出を求められることがあります。私はこれをやり忘れて後悔しているので、開業届を提出する際は控えを受け取り、手元に残しておくことをお勧めします。

最近では、以下のようなサービスもあるようです。

難しいと感じたら…

ここまでの説明を読んで、大変だ…と感じたかもしれません。私も最初はそうでした。

それからいろいろなことをネットで調べたのですが、書かれていることはまちまちで、余計に混乱してしまうこともしょっちゅうでした。

そんななか、一冊だけ本を購入したら気になることがほとんど載っていて、その後は迷いなくスムーズに作業を進めることができました。

私が購入したのは『フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック』という本でしたが、このシリーズを含め、毎年さまざまな本が販売されています。

まずは読みやすそうな本を一冊だけ購入して一通り読み、手元に置いておくことをお勧めします。

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フリーランス翻訳者が確定申告を行う3つの方法

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