自営業者は給与所得者と比べ、信用がありません。住宅ローンを組むときには、金融機関にもよりますが、3年以上事業を継続している必要があるなど、いろいろと制約があります。私の場合は共働きの妻の給与収入がそれなりにあったため何とかなりましたが、多くのフリーランス翻訳者は覚悟が必要だと思います。
特に問題なのは、収入(所得)が正しく考慮されないことです。その点について詳しく紹介したいと思います。
年収が正しく評価されない
自営業者の場合、借入可能額を計算するときの審査では、収入ではなく、経費を引いた所得が考慮されます。給与所得者の場合は、給与所得控除後の金額ではなく、給与収入がまるごと評価されます。しかし理不尽なことに、青色申告者の場合は、所得として、青色申告特別控除後の金額が考慮されます。「家内労働者の必要経費の特例」の適用を受けている場合は、さらにこれも差し引いた金額が所得となります。これらの経費や青色申告特別控除は実際に支払っている経費ではないにもかかわらず、です。つまり、実際の年収が同じでも、給与所得者より130万円近くも低く見積もられることになるのです。
金融機関によっては、青色申告特別控除が実際の経費ではないことを考慮してくれるところもないわけではありません。しかし、自営業者に有利とされるフラット35を提供している住宅金融支援機構では、これを考慮してくれません。
収入を多く評価してもらう方法
借入可能額を大きくするためには、確定申告書の所得額を増やすしかありません。そのためには、次の方法があります。
- 青色申告特別控除を65万円ではなく10万円にする
- 青色申告特別控除を受けない
- 「家内労働者の必要経費の特例」をあえて受けない
こうすることで年収を多く評価してもらうことはできます。しかし、所得が高く評価されると、所得税、住民税、健康保険税、保育料なども高くなることになります。なんとも理不尽な話です。
住宅ローンの審査完了後に過去に遡って更正の請求を行うという方法も考えましたが、これは後々問題になる可能性があります。
実態を考慮してくれる金融機関を探すのがよいのかもしれません。もし、これらの事情を考慮してくれる金融機関をご存知でしたら、ここで紹介しますので、教えていただけると幸いです。
その他の注意事項
ローンを申請する際は、自治体が発行する所得証明書のほか、税務署受付印付きの確定申告書の写しが必要になります。確定申告を行う際は、毎年忘れずにこれを受け取り、保管しておくようにしましょう。郵送で提出する場合でも、写しを受け取ることは可能です。
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