翻訳とは全く関係ないのですが、先日、私の電子書籍を Amazon で販売し、プリント本としても購入できるようにしてみました。すべて何の資格も必要なく一人で出版でき、それまでにかかった費用はゼロです。その際に利用したツールやサービス、苦労した点について簡単に紹介したいと思います。
電子書籍を出版するまでに利用したツール
電子書籍は、オンラインで無料のでんでんコンバーターを利用して本当に簡単に作成することができました。
電子書籍には表紙も必要ですが、これはまず、かんたん表紙メーカーでロゴを作成し、それを Canva というオンラインのデザインツールで組み合わせることで簡単に作成できました。
Amazon Kindle 本の電子書籍データは、上記と Amazon の Kindle Previewer だけですぐに作ることができました。
NextPublishingで出版するまでにしたこと
意外と苦労したのが、プリント本の出版です。
ムゲンブックスは一番簡単ですが、編集でできることに制約があります。
MyISBN も検討しましたが、時間と費用がかかります。
そこで選んだのが、NextPublishing というサービスです。正しいデータを送れば 1 週間程度で出版できるし、費用もかかりません。すでに出版している電子書籍とリンクすることもできます。
ただ、MyISBN や NextPublishing では、電子書籍と異なる PDF ファイルを作成する必要があります。
前出のでんでんコンバーターでは、そのまま出版できるサービスも用意されています(本のサイズや縦書きという制約はあります)。しかし私の電子書籍は横書きであったため、自分で .epub ファイルから PDF ファイルの原稿を作成して出版することにしました。
EPUB から PDF への変換には、Calibre という電子書籍管理ソフトを利用しました。フォントを埋め込むことも、ページ付きの目次を生成することも、ページ番号を付加することもできます。ただこれは紙での印刷用の PDF を作成するツールではないため、微修正が必要でした。
PDF の編集ツールは無料のものは使えないものばかりだったので、結局 Adobe Acrobat DC を利用しました。試用期間だけで作業を終わらせれば無料で使うことができましたし、月単位の契約も可能です。
紙の本も出版するつもりなら、原稿は最初から Word で作成するほうが良かったのかもしれません(DOCX ファイルからも電子書籍を出版できます)。
NextPublishing 用のデータ作成で一番苦労したのは、表紙の作成です。
Canva を利用して PDF を作成すると、アップロード時になぜかサイズエラーが発生します。これは Adobe Acrobat DC でも修正できませんでした。どうやら、Canva で見えない余白が自動付加されていることが原因のようです。そこで、その余白分だけ小さいデータを作成したところ、無事に表紙データを登録することができました。
ただ、実際に出来上がった本の表紙を確認したところ、画面上では問題なかったはずなのに、透過文字の周囲の色が少し変化していました。よくわかりませんが、透過オブジェクトを結合する必要があったのかもしれません。
後からの修正は有料なので、表紙の作成に関しては始めから有料オプション(税別 1,000 円)の「表紙データセルフ作成支援」を利用すればよかったと後悔しています。
紙の本を出版するメリット
電子書籍だけでなく紙の本を用意する最大のメリットは、電子書籍がより売れるようになることです。
紙の本を出版すると、Amazon で電子書籍とは違うカテゴリに登録することができます。そのため、購入見込みの人の目に触れる機会が増えます。また、紙の本もあるというだけで格上のような感じがします。
一番大事なのが、どうしても高価格になるプリント本という選択肢を用意することにより、電子書籍の割安感が増すことです。やり方によっては費用はかからないので、すでに電子書籍がある方は試してみてはいかがでしょうか。